変形性関節症は老化ではなく生活習慣病だ!

整形外科を受診すると「関節の変形はお歳のせいです」と説明されることが多いと思います。でもそれって本当に歳のせいなのでしょうか?

近年、私たちの生活習慣が健康に与える影響が注目されています。私は変形性関節症などの変性疾患も生活習慣病のひとつと考えています。変形性頚椎症、変形性腰椎症、変形性膝関節症など、これらの疾患は日常の生活習慣によって引き起こされることが多いのです。

まず、変形性頚椎症や変形性腰椎症について考えてみましょう。これらの疾患は、長時間の不適切な姿勢や過度の負荷が原因となって発症することが多いです。パソコン作業やスマートフォンの使用など、長時間同じ姿勢を保つことは、頚椎や腰椎に負担をかけることにつながります。正しい姿勢の維持適度な休憩ストレッチなどの習慣を取り入れることは、これらの疾患の予防に役立つでしょう。

また、変形性膝関節症についても同様です。この疾患は大腿四頭筋の筋力低下や関節にかかる過負荷が原因となります。現代の生活では、運動不足や身体活動の減少が問題となっています。大腿四頭筋を強化し、適度な運動やウォーキングなどの日常的な身体活動を取り入れることは、膝関節の負担を軽減する上で重要です。

筋骨格系の変性疾患は、単なる老化現象ではありません生活習慣病と同様に、予防や管理が重要なポイントとなります。

日常生活で適切な姿勢を保ち、適度な身体活動を取り入れることで、これらの疾患の発症リスクを減らすことができます。以下に、生活習慣を改善するための具体的なアドバイスをご紹介します。

  1. 姿勢の改善:長時間同じ姿勢を保つ場合は、適度に休憩し、姿勢を変えるよう心掛けましょう。デスクワークをする場合は、デスクや椅子の高さや位置を調整し、正しい姿勢を保つことが重要です。またスタンディングデスクにすることも一案です。
  2. 適度な運動:適度な運動や身体活動は、筋肉を強化し、関節の負担を軽減する助けになります。ウォーキング、水泳、サイクリングなど、自分に合った運動を定期的に行いましょう。どのような運動習慣が良いかは過去のブログにまとめてあります。整形外科医がwellnessについて考えるブログ (hatenablog.com)
  3. 体重管理:過体重や肥満は関節に余分な負荷をかけることがあります。バランスの取れた食事と適度な運動によって、健康な体重を維持するよう心掛けましょう。
  4. ストレッチと筋力トレーニン:筋肉を柔軟にし、強化するために、定期的なストレッチや筋力トレーニングを行いましょう。特に、大腿四頭筋体幹の筋肉を重点的に鍛えることは、膝関節や背骨の安定性を高めるのに役立ちます。

これらのアドバイスを実践することで、筋骨格系の変性疾患と生活習慣の関連性を理解し、予防につなげることができます。しかし、症状や状態には個人差がありますので、具体的な症状や治療方法については整形外科医にご相談ください。

今日はこの辺で、また次回。