wellnessとは?ChatGPTに聞いてみた!

AIの活用がどんどん広まっていますね。なかでもChatGPTは無料で利用できるので、とても身近なツールになっています。

当ブログのテーマでもある"wellness"の意味をChatGPTに聞いてみたところ、こんな回答をしてくれました。

「Wellness(ウェルネス)」は、健康と幸福の総合的な状態を表す言葉です。健康を単に病気や身体の不具合の欠如と捉えるのではなく、心身のバランスや生活の質の向上、積極的な健康増進を追求する状態を指します。

この中で気になったのは「追求する」という部分です。単に「心身のバランスや健康が満たされた状態」だと、今流行りの”well-being”とほぼ同義です。

諸行無常と言いますが、万物は時間とともに変化していきます。心身のバランスや健康状態も同様に変化するものです。変化に対応するためには私達の意識や認識も変化しなければいけません。

「追求する」というのは、これらの変化に対応していくために必要な手段です。well-beingは一時点での状態を表す言葉ですが、wellnessはある程度の時間軸を含んだ未来志向的な言葉なのだと感じました。

ChatGPTに教えてもらい、勉強になりました。

今回はこの辺で。また次回。

学童野球はドミニカ共和国に学べ!

学童期野球選手のケガ予防を考えるときに、とても参考になるデータがあります。内容は参考記事を参照して頂きたいのですが、以下に内容の要約を記載します。

参考記事:Microsoft Word - ã…›ã… (coocan.jp)

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2018年1月に日本の整形外科医らがドミニカ共和国を訪れ、学童期野球選手の「野球肘」を調査しました。ドミニカは小国ながら多くのメジャーリーガーを輩出しており、成長期に体を壊さないことの重要性を指摘しています。

整形外科医らはドミニカの学童期野球選手の障害発生率を調査し、指導法を評価しました。結果は、肘外側の離断性骨軟骨炎の発生率は0%、内側の裂離骨折の発生率は15%であり、日本よりも圧倒的に低い結果でした。日本では肘の痛みを経験する小学生が約半数に上り、日本の状況は異常とされています。

ドミニカの学童野球の練習は週5日程度で1日の練習時間も3時間に満たないとのことです。ドミニカではケガをさせないために指導者が存在するという考え方をもとに、子どもたちが自主的に楽しく野球をしているのです。

調査を行った整形外科医は、特に小学生の骨が未成熟で運動神経の基礎が伸びる時期において、運動神経を向上させるために正しい指導が必要であると話しています。

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ドミニカの野球肘の少なさには驚きです。

練習内容として、子供が好きなバッティング練習に重点をおき、投球数は少なくしているなど工夫があるようです。日本の学童野球の現場でも十分に取り入れられそうですね。

子供がのびのびと野球を楽しむ、かつケガ予防にもなる。

これが本当の意味で”Enjoy Baseball”なのではないでしょうか。

学童期野球選手のwellnessを考えるヒントになりました。

今日はこの辺で、また次回。

 

 

 

 

変形性関節症は老化ではなく生活習慣病だ!

整形外科を受診すると「関節の変形はお歳のせいです」と説明されることが多いと思います。でもそれって本当に歳のせいなのでしょうか?

近年、私たちの生活習慣が健康に与える影響が注目されています。私は変形性関節症などの変性疾患も生活習慣病のひとつと考えています。変形性頚椎症、変形性腰椎症、変形性膝関節症など、これらの疾患は日常の生活習慣によって引き起こされることが多いのです。

まず、変形性頚椎症や変形性腰椎症について考えてみましょう。これらの疾患は、長時間の不適切な姿勢や過度の負荷が原因となって発症することが多いです。パソコン作業やスマートフォンの使用など、長時間同じ姿勢を保つことは、頚椎や腰椎に負担をかけることにつながります。正しい姿勢の維持適度な休憩ストレッチなどの習慣を取り入れることは、これらの疾患の予防に役立つでしょう。

また、変形性膝関節症についても同様です。この疾患は大腿四頭筋の筋力低下や関節にかかる過負荷が原因となります。現代の生活では、運動不足や身体活動の減少が問題となっています。大腿四頭筋を強化し、適度な運動やウォーキングなどの日常的な身体活動を取り入れることは、膝関節の負担を軽減する上で重要です。

筋骨格系の変性疾患は、単なる老化現象ではありません生活習慣病と同様に、予防や管理が重要なポイントとなります。

日常生活で適切な姿勢を保ち、適度な身体活動を取り入れることで、これらの疾患の発症リスクを減らすことができます。以下に、生活習慣を改善するための具体的なアドバイスをご紹介します。

  1. 姿勢の改善:長時間同じ姿勢を保つ場合は、適度に休憩し、姿勢を変えるよう心掛けましょう。デスクワークをする場合は、デスクや椅子の高さや位置を調整し、正しい姿勢を保つことが重要です。またスタンディングデスクにすることも一案です。
  2. 適度な運動:適度な運動や身体活動は、筋肉を強化し、関節の負担を軽減する助けになります。ウォーキング、水泳、サイクリングなど、自分に合った運動を定期的に行いましょう。どのような運動習慣が良いかは過去のブログにまとめてあります。整形外科医がwellnessについて考えるブログ (hatenablog.com)
  3. 体重管理:過体重や肥満は関節に余分な負荷をかけることがあります。バランスの取れた食事と適度な運動によって、健康な体重を維持するよう心掛けましょう。
  4. ストレッチと筋力トレーニン:筋肉を柔軟にし、強化するために、定期的なストレッチや筋力トレーニングを行いましょう。特に、大腿四頭筋体幹の筋肉を重点的に鍛えることは、膝関節や背骨の安定性を高めるのに役立ちます。

これらのアドバイスを実践することで、筋骨格系の変性疾患と生活習慣の関連性を理解し、予防につなげることができます。しかし、症状や状態には個人差がありますので、具体的な症状や治療方法については整形外科医にご相談ください。

今日はこの辺で、また次回。

理想的な運動習慣はこれだ!

みなさん運動していますか?

私は外来診療で必ず運動習慣を尋ねるようにしていますが、申し訳なさそうに「していません」と答える人が多いです。みんな禁煙と同様に運動が大切ということはわかっている印象です。

運動はwellnessの維持に必要不可欠です。

では、どのような運動をどのくらい行えばよいか知っていますか?

実は、健康を保つために必要な運動習慣が科学的にわかっているのです。

 

【理想的な運動習慣】

1. 中程度の強度の有酸素運動を週150分以上

中程度の強度の有酸素運動とは、歩く、自転車に乗る、水泳、ジョギングなどの軽く息が上がる程度の運動のことです。週4回以上行った方が習慣化しやすいので、少なくとも1日30分を週5回行うのがよいでしょう。

2. 筋トレを週2回程度

筋力トレーニングとは、重りを使ったトレーニングや自重を使ったトレーニングなどで、筋肉を鍛える運動を指します。中でもスクワットは大きな筋肉を使うので効率的でおすすめです。自重でもできて、膝の曲げ具合で強度を調節できます。

 

いかがでしょうか?みなさんできていますか?できそうですか?

”筋トレ”と聞くとアレルギー反応が出る人もいるかも知れません。大切なのは自分の力量や体調に合わせて無理なく続けることです。

運動習慣のない人がバーベルをがんがん持ち上げる必要はありません。まずは自重のトレーニングで、これなら自分もできそうというものから始めるのがいいですよ。

Googleなどで「自重トレーニング」と検索すると、たくさんの種類がみるかります。自分にあったものを探してみましょう。

習慣化のためのポイントをもうひとつ。最初の2週間は笑っちゃうくらい簡単な目標にしましょう。例えば、”腕立て伏せ1日1回”とか”スニーカーを履いて玄関から出る”とか。これだけでも習慣化の立派な第一歩です。

持病がある人は注意が必要ですので、主治医と相談して強度を調整してください。

運動習慣をつけて健康寿命を延ばしましょう!

 

今日はこの辺で、また次回。

ビタミンDが多く含まれる食品は?

ビタミンDが私達の体の中で重要な働きをしてくれることは、以前のブログで書きました。ビタミンDの重要な働き4選 - 整形外科医がwellnessについて考えるブログ (hatenablog.com)

今日はそんなビタミンDが多く含まれる食品を紹介します。

 

ビタミンD含有量が多い食品

  1. 鮭、マグロ、サバ、ニシンなどの脂肪の多い魚
  2. チーズなどの乳製品
  3. 卵黄
  4. レバーやラム肉
  5. マッシュルームなどのきのこ類
  6. 豆腐や納豆などの豆製品

 

ただし、これらの食品からビタミンDを十分に摂取するには、かなりの量を摂取する必要があります。また、食品からのビタミンDの吸収率は低いという問題もあります。

 

では、ビタミンDの吸収率を上げるにはどうすればいいのでしょうか。

以下の方法があります。

  1. 脂肪分のある食品と一緒に摂取する:ビタミンD脂溶性ビタミンなので脂肪に溶けやすい。

  2. 食事中にビタミンDを摂取する:食事中にビタミンDを摂取すると、胃の中で食品と一緒に混ざって、吸収されやすくなる。

 

脂溶性ビタミンであることを利用して、普段の食事の際に良質な油(できればアマニ油などのオメガ3脂肪酸)と合わせて食べると効率的ですね。

ただし、食品から十分な量のビタミンDを摂取するには限界があるので、日光を浴びたりサプリメントで摂取して不足分を補う必要があります。

 

せっかく食事をするなら必要な栄養を効率的に体に取り込みたいですね。

 

今日はこの辺で。また次回。

 

 

ビタミンDの摂取量はどのくらいがいいのか?

ビタミンDの補充には日光浴や食事が大切ですが、冬場などはどうしても不足してしまいます。

食事に含まれるビタミンD”天然型”という種類のビタミンDですが、病院やクリニックで処方される薬は“活性型”という種類のビタミンDです。

活性型では高Ca血症の副作用がでることがありますが、天然型はかなりの量をとらない限りは高Ca血症にはならないとされています。なぜなら、体内では天然型から活性型への変換量が調節されているからです。

通常は天然型が肝臓や腎臓で活性化されて活性型になります。活性型が多ければ活性化される天然型ビタミンDにも少なくなりますが、活性型のかたちで体内に吸収されてしまうと、この調節ができなくなります。

プロサッカー選手を対象とした研究で、冬場ではビタミンD不足の選手が多かったと報告されています。屋外でトレーニングすることが多いサッカー選手ですら不足しているのですから、屋外に出ることが少ない人ではなおさら足りていないと思われます。

天然型ビタミンDサプリメントの推奨摂取量は、米国食品栄養委員会によると

1歳未満 400IU/日

1-70歳 600IU/日

71歳以上 800IU/日

妊娠中または授乳中 600IU/日

とされています。

しかし、最近の研究ではさらに高用量(1000IU/日とか2000IU/日とか)で行われているものも多いので、この基準は変わるかもしれません。

また、米国食品医薬品局は成人の場合4000IU/日を摂取量の上限とし、それ以上では高カルシウム血症のリスクがあるとしています。しかし、ビタミンD摂取による高カルシウム血症は240000IU/日以上(桁間違いではありません)という途方もない量の摂取によって起こるという報告もあるので、これも近い将来に修正される可能性があります。

 

私も冬や花粉症の季節は、率先して天然型ビタミンDサプリメントで摂取しています。用量は5000IUを基本としています。高カルシウム血症のリスクはあまりない量だとは思っていますが、自分の体で人体実験をしている気分です。

まあ4000IU/日以下が無難なので、そのくらいで天然型ビタミンD(ビタミンD3)を飲み始めてはいかがでしょうか。

 

今日はこの辺で、また次回。

”統合医療”と聞いて思うところ

統合医療に関する本を2冊読みました。

①「統合医療とは何か?が、わかる本」 山本竜隆ほか著 2012年

②「癒やす心、治る力」 アンドルー・ワイル著 1995年

 

皆さんは統合医療と聞いて何を思い浮かべますか?

ほとんどの方は東洋医学など、西洋医学以外の医療なのではないかと想像します。

しかし、統合という言葉が物語っていますが、本来の統合医療とは西洋医学東洋医学もその他もすべてをひっくるめた医療のことです。

 

1月に統合医療セミナーに参加する機会があり、事前知識を入れておかなければと思い①を読みました。①はアリゾナ大学統合医療プログラムを修了された先生方が書かれた本ですが、その中で彼らの師匠であるアンドルー・ワイル先生の②の著書を皆さんそろっておすすめされていたので、②も読んでみました。

 

感想は…

”西洋医学vs統合医療”という図式がまだまだ強いな、です。

 

私は学生の頃に日本統合医療学会などに参加して、西洋医学と補完代替医療を結びつけようと努力している方々がいることを知りました。これには私も賛成なのですが、一部には西洋医学を敵と考えている方もいました。

いろんな意見がありすぎて、何が統合医療なのかを自分の中で消化しきれていませんでした。

そんな理解の悪い私にもわかりやすい説明が①にありました。

統合医療医はコーディネーターとして、一人ひとりの患者の診療情報を西洋医学と補完代替医療の、情報の壁を超えて共有させるパイプとしての役割を果たします。」

つまり統合医療とは、様々な医療をコーディネートする役割を持つものということですね。

このコーディネーターという言葉のおかげで腑に落ちました。とてもわかりやすい説明です。

現代医学で大成功している西洋医学ですが、欠点もそれなりにあります。

①は西洋医学を基本としながらも欠点を補完代替医療で補ったり、場合によっては補完代替医療を中心として西洋医学も組み合わせるというスタンスをとっています。

なるほど、とても中立的で理にかなっています。

ただ、ところどころで西洋医学への批判が目に付きました。これは補完代替医療を説明する際に仕方のないことではありますが、読者にきちんとした知識がないと西洋医学vs統合医療という誤解を与えてしまうなと感じました。

②では、西洋医学vs統合医療の図式がより顕著です。ワイル先生の原著が出版された1990年代当時は、西洋医学のペシミズムが問題視され始めた時代なので、インパクトのある本にするには仕方なかったのかなと思います。

 

統合医療の本来の意味である、様々な医療のコーディネートが適切にできる医師がどれだけいるでしょうか?

私は整形外科医として、少なくとも運動器の分野では統合医療を実践したいと夢見ています。それが患者さんのwellnessに貢献すると信じています。狭い分野で統合医療というとそれは本来の意味と違うとツッコミを受けそうですが…

 

今日はこの辺で。また次回。