2022年に学童野球のルールが変わっていた!

小さい頃から野球をやってきた私ですが、不覚にも2022年に学童野球のルールが大幅に改正されていたことに、最近気が付きました。

学童野球とは、小学生野球、いわゆる少年野球のことです。

 

大きな変更点は以下の2点です。

 

1.イニング数と試合時間の変更

変更前の7イニング制、2時間30分から、変更後は6イニング制、1時間30分となっています。

 

2.ホームプレートサイズの変更

変更前はホームプレートの幅が5cm程度小さいサイズでしたが、変更後は高校野球プロ野球と同じサイズとなっています。

 

いずれも投手の投げすぎ予防と試合時間の短縮が主な目的と思われます。

そういえば何かの講演会で、今回のルール改正に深く関わっているであろう整形外科の先輩医師が、「息子の少年野球チームで声を上げても何も変えられなかったが、組織の中枢(おそらく全日本軟式野球連盟の役員)になったらすぐに変えられた」と発言していたのを思い出しました。

 

この変更には、私も大賛成です。

プロ野球選手は仕事でやっていますし、高校球児も高校で燃え尽きてもいいと考えている選手も多いと思います(賛否はありますが)。

しかし、学童野球で燃え尽きたいと思っている選手はいないでしょう。

大人が学童野球選手を守る義務があると思います。

なんせ、学童野球は圧倒的に指導者の立場が強いですから。

さらに、小学生は投げすぎで深刻な障害が発生しやすい年代です。

プロ野球高校野球での球数制限が注目されがちですが、球数制限が最も必要なのは学童野球です。

今回のルール改正は、すでに導入されている球数制限の実効性をさらに高めるものです。

学童野球選手のwellnessを守る、とても大きな出来事だと思いました。

これを機に、学童野球の指導者の意識も変わっていくことを期待しています。

 

それにしても先輩医師の情熱には頭が上がりません。

今回はこの辺で。また次回。

 

 

 

 

ビタミンDの重要な働き4選

皆さんはビタミンDと聞いて何を思い浮かべますか?

ビタミンだから大事なんでしょ?

日光を浴びるとできるんでしょ?

そうなんですが、ビタミンDは私達の体の中でとても重要な働きをしているのです。

今日はビタミンDの働きについてお話します。

 

ビタミンDの重要な働き4選

  1. 細胞の増殖・分化を調整する
  2. 免疫システムを正常に保つ
  3. メンタルと脳の働きを正常に保つ
  4. 骨を強くする

 

それぞれ見ていきましょう。

1. 細胞の増殖・分化を調整する

細胞の増殖は生きていくうえで書かせませんが、制御不能な増殖はがんにつながる可能性があります。また、増殖した細胞が適切に分化(適切な働きをもつようになる)しないと、体の中の機能が保たれません。ビタミンDはこれらを調整して細胞が適切に機能するように調整します。

 

2. 免疫システムを正常に保つ

免疫機能が低下すると風邪や細菌感染にかかりやすくなります。一方で、免疫が働きすぎるとアレルギーや自己免疫性疾患に繋がります。ビタミンDは免疫システムを調整して正常に保ちます。最近では、ビタミンDが不足していると新型コロナウイルス感染症の感染率や重症化率が高いことが報告されています。

 

3. メンタルと脳の働きを正常に保つ

ビタミンD不足は、うつ病や認知機能障害、アルツハイマー病と関連しているとされています。記憶力や意志力を保つためにもビタミンDは欠かせません。

 

4. 骨を強くする

骨の主成分はリン酸カルシウムであり、ビタミンDはこれらの調節に深く関わっています。ビタミンDの欠乏や不足は、子供ではくる病、大人では骨軟化症や骨粗鬆症と関連します。骨折予防のためにもビタミンDは重要です。

 

いずれもwellnessを高めるために大事な働きですね。

整形外科医的には、4を特に重要視したくなります。

 

以上、ビタミンDの重要な働きについてのお話でした。

今日はこの辺で。また次回。

ロコモーティブシンドロームについて

前回はhealthとwellnessの違いについて書きました。

なかでも心の健康が最重要なのではないかというのが、私の考えです。

心の健康が土台にあって、体の健康が成り立つあるいは生かされるのだと思うのです。

しかし、体の健康は心の健康にも影響します。

体の調子が良ければ心も調子が良くなりやすいし、体の不調はシロアリのように心の健康をむしばみます。

 

ロコモーティブシンドロームという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

通称”ロコモ”。

日本整形外科学会が普及に力を注いでいる概念ですが、いまいち世間には普及していないようです。

以下の①~③のうち、いずれかに当てはまればロコモーティブシンドロームです。

 

①立ち上がりテスト:片脚で40cmの台から立ち上がれない

②2ステップテスト:できる限り大股で2歩あるいた距離を計測し、2ステップ幅(2歩幅cm÷身長cm)が1.3未満

③ロコモ25:25問のアンケートで7点以上(最大100点)

 

上記はロコモONLINE | 日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト (locomo-joa.jp)で確認できます。

 

判定基準をみてもわかるように、ロコモーティブシンドロームは体の健康に注目した概念です。

③の一部では心の健康の要素も加味されるかもしれませんが、ほとんど含まれていません。

ロコモーティブシンドロームよりもwellnessやwell-beingといった言葉が流行るのは、心の健康の要素が含まれているからではないでしょうか。

ただ、ロコモーティブシンドローム予防も大事です。

寝たきり予防には体の健康はもちろん重要ですから。

ロコモーティブシンドロームを普及されるには、もっと心の健康の要素を含めてもいいのかもしれません。

 

今回はこの辺で。また次回。

 

 

ブログ、はじめました

はじめまして。

日々、人々の健康についてあれこれ考えている整形外科医です。

これまでは他の方の情報発信を受動的に消費してきましたが、一念発起し、この場で自分も情報発信していきたいと思います。

 

今回は、healthとwellnessについて。

 

healthとは、日本語に直訳すると「健康」ですが、おもに体の健康を意味します。

 

それに対してwellnessとは、「身体的、精神的、社会的に健康で安心な状態」のことのようです。

噛み砕いてい言うと「輝くようにイキイキしている状態」です。

後者はなんだかメルヘンチックですね。

体の健康だけでなく、心や自分の置かれている生活環境、社会環境も含まれています。

 

皆さんが「健康」と聞いてイメージするのはどちらでしょうか?

体は健康でも心が病んでいれば不健康そうだし、心が健康でも大病を患っていれば健康とは言えないかもしれません。

ただ個人的には、心が健康であれば、その人の捉え方次第で生活環境や社会環境に安心できる部分もあるように感じます。

 

近年、healthよりもwellnessという言葉のほうが注目されています。

もちろん体の健康も大事ですが、いちばん大事なのは心の健康なのではないかと思うのです。

 

今日はこの辺で。また次回。